認知症になってしまうと、家族の顔すら分からなくなったり、自分で服を着たりトイレに行ったりといった当たり前のことも出来なくなります。
認知症に対して効果のある治療法は残念ながら確立されていませんが、最近ではハーブやアロマに症状を改善する効果が期待できることがわかってきました。

なぜハーブやアロマがいいのか?

今までの研究では、認知症は記憶を司る脳神経である海馬がダメージを受けることで起こると考えられてきました。

しかし、最近では海馬に直結した嗅神経が最初にダメージを受けることが解明されました。
ニオイを感じるための嗅神経がダメージを受けると、それが海馬に徐々に伝わって、記憶の機能を壊しながら脳全体の機能を低下させてしまうというメカニズムです。

逆に考えると、嗅神経へのダメージを軽減したり修復すれば、認知症の予防や改善ができるという希望が持てるということです。

認知症予防にローズマリーティー

ハーブはヨーロッパなどで発達した薬草です。
日本では主にリラクゼーションのために使われますが、ヨーロッパではアロマテラピーという医療分野でも活躍しています。

このハーブのなかでも、ローズマリーは認知症の予防効果があることがマウス使った実験でわかっています。
ローズマリーを与えたマウスの脳血管を遮断したところ、ローズマリーを与えなかったマウスに比べて脳細胞へのダメージが少なかったということです。

ローズマリーがよい理由は、カルノシン酸という物質が含まれているからです。
これには脳神経を活性化させたり、神経を保護する働きがあります。

ハーブティーを毎日飲む習慣をつけたり、茶葉を持ち歩いて香らせるようにするといいでしょう。

アロマを活用して改善するには

ローズマリーの他にも、レモン、真性ラベンダー、オレンジ・スウィートなどにも認知症を予防・改善する効果があると言われています。

アロマを治療に使うときには、化学的に合成されたものではなく100%混じり気のない精油(エッセンシャルオイル)を使うことがポイントです。
認知症に効くのは、嗅神経を効果的に刺激する植物由来の成分だからです。
瓶のラベルにラテン語で精油の学名とロット番号(産地・製造年月日を調べられる番号)が記されていれば本物です。

使うときには、日中と夜で配合成分を変えましょう。
昼用にはローズマリーとレモンなどの交感神経を刺激するもの、夜用には真性ラベンダーとオレンジ・スウィートといった副交感神経を刺激するものをペンダントなどに入れて首からかけてあげましょう。