老人性うつ病は、うつ病と間違われやすい病気で、症状としては、口数が少なくなる、気分の落ち込み、好きだったことをしなくなるなどがあります

これらの症状は、認知症の症状としてもあてはまるもので、老人性うつ病になると、集中力ややる気が減少してしまうため、認知症のテストを受けても、低くみられてしまい医師でも境界線が難しいものとなっています。

老人性うつ病の原因

うつ病というと、仕事のストレスや出産直後などに起こりやすいと思われていますが、実は、老人といわれる高齢者でもうつ病になります。

特に、家族との死別、生活環境の変化、病気治療の為の入院などに起こりやすく、中でも、家族との死別は、もっとも多い原因で、夫や妻を亡くし、大きな深い悲しみに加え、それまで夫や妻がしていたことを自分でこなさなければいけなくなり、それまでにないストレスを感じるようになることで、老人性うつ病になりやすいと考えられます。

また、高齢になって子供と同居したり、老人ホームなどに入居することで、それまでの生活環境と大きく変わり、うつ病の原因となることがあります。

認知症との違い

医師でも老人性うつ病と認知症の判断が難しい病気ですが、違いもあります。
それは無気力で、老人性うつ病の場合には、頭ではやらなければいけないとわかっていても、無気力で落ち込みや焦りが出てきます。

それに対して、認知症は、やらないといけないとも思っていませんから、ただ、ぼーっとしているように見えます。

また、老人性うつ病の場合には、体調不良や心の不安感などを口にしますが、認知症の場合には、抑うつ症状がおこっていないので、こうしたことを訴えることはほとんどありません。
そのほかに、老人性うつ病の場合には、抑うつ症状によって落ち込みや罪悪感のような気持ちが強くなり、相手が気にしていなくても、すぐに謝罪するケースがあります。

認知症は、抑うつ症状が少ない状態ですから、こういった状態になることはほとんどありません。

老人性うつ病の治療方法

もし家族や身近にいる高齢者にこういった状態が現れた場合には、どこにつれていったら良いのかというと、まずは、持病などで通院をしている場合には、主治医やかかりつけ医に相談してみるとよいでしょう。

本人に自覚があれば、自分で医師に説明することができますが、自分はうつ病ではないと思っている場合には、家族が主治医と相談をして、専門の医療機関を紹介してもらう方がよいでしょう。