前立腺癌のガイドラインとして、日本では、日本泌尿器科学会が刊行しているものが参照されています。
前立腺癌の治療ガイドラインは、もっとも確実とされる検査方法や、有効とされる治療法などが、まとめられた資料で、専門家が、有益な情報だけをピックアップして作製しているものです。

ガイドラインによる治療方法

前立腺癌のガイドラインによると、まず行われるのは、病期診断で、癌が前立腺内にとどまっているか、外へ浸食しているか、悪性度がどの程度なのかを調べて、ステージを判断します。

前立腺内に留まっている場合には、手術療法か放射線療法が基本で、補助的にホルモン療法を行うように推奨されています。
リスクが低い場合には、経過観察をするというのも、一つの方法です。

一方、膀胱や精曩近くまで浸食してしまった局所進行癌の場合には、手術ができる場合には手術を行い、手術が難しい場合には、放射線療法やホルモン療法が推奨されています。

ただ、こういったガイドラインがあっても、患者一人一人の希望によっても、治療法は異なりますから、もっとも適切な治療法を医師と相談して決めていくことになります。

前立腺癌とは

そもそも前立腺とは、男性の精液野市部を作る臓器のことで、膀胱の下、直腸の前にあります。
この前立腺にできる癌は、前立腺の細胞が何らかの原因によって、無秩序に増殖を繰り返す疾患で、年齢とともに増加し、65歳以上の男性に多く、80歳以上になると20パーセント前後の人に認められるといわれています。

進行がゆっくりですが、進行とともに癌は大きくなり、リンパ液や血液にのってほかの場所に移動して、転移することもあります。

早期の前立腺癌は、排尿障害や下腹部の不快感などがありますが、徐々に癌が進行すると、骨に転移して腰痛などが起こることもあります。
早期に発見すれば、手術や放射線治療などで治癒することができますから、定期検査などで早期に発見し、治療を行うことが大切です。

前立腺癌を早期発見するには

前立腺癌は、初期の段階では自覚症状が現れにくい為、なかなか気づかない病気です。
そのため、検査を受けて早期に発見することが重要です。

検査には、スクリーニング検査やPSA検査、直腸診、超音波検査などがあります。
スクリーニング検査は、集団検診や人間ドックなどで行うことができる、比較的簡単な検査で、PSA検査は、採血で調べる検査です。

直腸診は、医師が患者の肛門から直腸に指を入れて、前立腺の大きさなどを調べていきます。
超音波検査は、肛門から専用の超音波プローベを挿入して、前立腺内部の構造を観察して診断を行います。