気分が落ち込み、何事に対しても意欲がなくなってしまう「うつ病」は、頭痛や食欲不振など、体にも様々な影響を及ぼします。
そして体が思うように動かないため余計にいらだってしまい、さらに悪化してしまうことがあります。
そんなうつ病を治すためには、十分な休養と抗うつ薬による薬物療法、そしてカウンセリングなどによる精神療法を用います。
しかし、うつ病の中にはこれらの治療を行ってもなかなか治らない、「難治性うつ病」もあります。
抗うつ剤が身体に合っていないケース
難治性うつ病の原因としては、大きく3つあります。
1つ目は、今使用している薬が合っていない場合です。
抗うつ薬は1種類だけでなく、様々な種類があります。そして、薬は人によって効果の程度が異なります。
適切な量の薬を飲んでいるのになかなか改善されない場合は、薬が体に合っていない可能性が考えられます。
そのため、医師に相談して別の薬を試してみるようにします。
また、人によってはなかなか薬そのものが効きづらい場合もあります。
その時は、より抗うつ薬が効きやすくなるように、「非定型抗精神病薬」も処方されます。
これらの薬を合わせて飲むことで、より強い効果を発揮するようになるのです。
躁うつ病(双極性障害)に罹患しているケース
2つ目は、双極性障害を患っている場合です。
双極性障害とは別名「躁うつ病」とも呼ばれており、気分が落ち込む「うつ状態」と、気分や衝動性が高まる「躁状態」が繰り返される病です。
本当は双極性障害なのにうつ病だと思って治療していると、しばらくすると気分が高まり、あたかもうつ病が治ったかのように感じられます。
しかし、この状態は実は「躁状態」になっているだけなので、このまま治療を止めてしまうと、再びうつ状態に戻ってしまいます。
また、双極性障害の場合、うつ病と処方される薬の種類が異なります。
うつ病の場合は「抗うつ薬」が処方されますが、双極性障害の場合は「気分安定薬」と「抗精神病薬」が処方されます。
双極性障害の場合は、まず気分を安定させることが重要だからです。
もしうつ状態と躁状態が繰り返し来ているなら、双極性障害を一度疑いましょう。
うつ病以外にも心の病があるケース
3つ目は、うつ病の他にも不安障害を抱えている場合です。
うつ病は不安やストレスによって引き起こされます。「パニック障害」や「社会不安障害」「恐怖症」などの不安障害を併発していると、うつ病の治療をしていてもなかなか不安が軽減されなくなってしまいます。
そのため、なかなかうつ病が改善されなくなってしまうのです。
この場合、うつ病の他に不安障害に対する治療も行っていく必要があります。
このように、難治性うつ病の場合、今使用している薬が合っていなかったり、他の病が隠れている場合が多いです。
医師と相談したうえで、自分の症状にあった治療を行っていくようにしましょう。