早朝に目が覚めてしまい、まだ眠りたいのに寝付けないという人はいませんか?特に、予定していた起床時間よりも2時間以上早く目が覚める場合は注意が必要です。

それは「早朝覚醒」と呼ばれる不眠症の一種で、日中の眠気や集中力・記憶力の低下、生活リズムの乱れを引き起こします。
年齢が上がるにつれて多く見られ、仕事や家事に支障を来すこともあるようです。
こういった症状に当てはまる人は、改善のために自分の生活を見直してみましょう。

早朝覚醒が起きる原因とは

早朝覚醒の原因のひとつとして考えられるのは、眠りの浅さです。通常、睡眠中は浅い眠りであるレム睡眠と深い睡眠であるノンレム睡眠が繰り返されていますが、年を取るにしたがってノンレム睡眠は少なくなるため、目が覚めやすくなってしまうのです。

年齢に伴う睡眠の質の低下は自然なことで、誰にでも起こります。
ただし、睡眠環境や日中の活動量、寝る直前の行動などによっても睡眠の深さは大きく左右されるので、ある程度は生活習慣の改善で対処することが可能です。

一方で、精神的なストレスやうつ病が原因となっている可能性もあります
強いストレスを感じていると神経が常に興奮した状態になり、体がリラックスできません。

さらに、早く目が覚めた時に自己否定感や絶望感がある・眠れないことに対する過度の不安があるといった場合はうつ病を疑う必要があるかもしれません。

早朝覚醒を改善するには

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眠りの浅さが原因の場合は、睡眠環境と生活習慣を見直すことが改善につながります
耳栓を使って眠りの妨げとなる音を遮断したり寝室の明かりを全て消したりすることで、体が休息モードに入りやすくなります。
また、枕やマットレスは、形・硬さが自分に合ったものを使うようにしてください。

日中は意識的に歩くようにする・スポーツを始めるなどして運動不足を解消し、適度に体を疲れさせることも忘れてはいけません。眠る直前は、携帯電話やテレビ、パソコンなど強い光の出る機器の使用・アルコールやカフェイン入りの飲料の摂取・食事を避けることが深い睡眠につながります

改善が見込めない場合はどうすればよいか

生活習慣を見直したにもかかわらず早朝に目が覚めてしまうならば、精神的な問題やうつ病が潜んでいるかもしれません。
可能ならばストレスの原因と思われるものから遠ざかってみましょう。

それでも治らない場合は自己流の改善策を継続するのではなく、できるだけ速やかに心療内科・精神科を受診することをお勧めします。