早寝早起きは良いことだと一般的に認識されています。ところが、予定よりも早く起きてしまう状態が続く場合、早朝覚醒という症状に悩まされている可能性が高まります。
すっきりと目覚めるのではなく、まだ寝ていたいのに眠れない、浅い眠りで満足できないといった症状が見られるのが特徴です。

加齢に伴うノンレム睡眠の変化

歳を取ると朝早く起きるようになると昔からいわれますが、実は加齢と早朝覚醒は深く関わっています

睡眠中には、レム睡眠とノンレム睡眠が交互に訪れるようになっています。レム睡眠は身体が休んでいるのに脳が動いている状態で、ノンレム睡眠は脳が休んでおり、身体は修復を行っている状態です。

若い人はノンレム睡眠の状態が深いですが、歳を取ってくると浅く変化してきます。
脳が深く休まっておらず、交感神経が活発に働くことで、目覚めが早くなります。

うつ病が潜んでいることも

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精神的な病としてよく知られるうつ病も、早朝覚醒の症状があらわれやすい性質を持っています。失敗を繰り返したり、自分の自然な気持ちを押し殺して長期間生活を続けていると、何もやる気がなくなったり、ネガティブなことばかりを考えるようになる病気です。

脳からの指令が上手く伝わらなくなり、正常な睡眠が妨げられてしまうのが原因です。
朝早く起きてしまうばかりでなく、夜なかなか寝付けないといった入眠障害も、うつ病ではよく見られます。

日光の浴び方を工夫しよう

うつ病が原因なら、自力で対策するのは難しいため、精神科や心療内科などを受診しましょう。やる気が出ない、食欲がわかない、眠りにつくことが出来ない状態がしばらく続くなら、この病気が疑われます。

病気が関係しないなら、日常生活を工夫することで対策が可能です。
ポイントとなるのが、体内時計の調整です。体内時計とは身体が自然に1日の変化に対応する、本能的な機能になります。
中高年の早朝覚醒から若い人の睡眠障害まで、幅広く適用できる対策方法です。

朝目覚めたら、強い日の光を浴びないように工夫します。2~3時間くらい避けると効果があります。強い日差しを浴びると体内時計の目覚めのスイッチが入ってしまいがちです。
遮光カーテンで室内に強い光が入らないように調整できます。

夕方には逆に、日の光をじっくりと浴びるようにします。
体内時計がまだ起きている時間帯だと判断して、夜早く寝てしまうのを防ぐことが可能です。
寝る時間が早すぎることによる早朝覚醒の対策に有効です。